<98>頭髪を100本抜き覚醒剤検査 “絶口調”で不満をぶちまけた家政婦
13時間に及ぶ取り調べを受けて夜の10時に帰ってきた家政婦の大下さんは、“絶口調”で捜査への不満をぶちまけた。
「あのね、髪を5カ所に分けて、全部で100本ほど取られたのよ。覚醒剤の使用について調べるんだと思うけど、頭頂部、左右、後頭部の2カ所を引っ張られるんだから頭にきて、『髪が少ないんだから、いい加減にしてよ』って文句を言ったわ。早貴ちゃんみたいに黒々とした髪ならいくら取ってもいいけどさ。ウィッグを使っているのに失礼しちゃうじゃない」
「そりゃあ、そうやのぉ~」
マコやんも私も苦笑した。彼女がウィッグを使っていることは本人が公言していたので私も知っている。口数の少ない早貴被告も苦笑しているだけだった。
「早貴ちゃんの捜査員は格好がいいイケメンで、私はババアだからダメなのよ」
「いや、大下さんの担当にもイケメンがいたじゃないですか」
2人で捜査員の品定めが始まったので、笑うしかなかった。
「あのね、ヨッシーがここで私たちに社長が死んだときの様子を聞くでしょ。ヨッシーは理詰めで厳しい聞き方をするけど捜査員たちは優しいのよ~。ねっ、早貴ちゃん」