<91>野崎幸助さんの通夜はマスコミをシャットアウトして行われた
通夜のため葬儀屋さんが野崎幸助さんの遺体を運び出す予定の午後4時になっても、警察の家宅捜索は終わらなかった。私は野崎さん宅の玄関脇にあるクローゼットに喪服を置いてあったので、何度も捜査員に取り出したいと頼んだが断られていた。玄関に入って10秒もあれば終わって出られるのに許可が出なかったのだ。
この捜索は葬儀屋さんが来てもなかなか終わらず、4時をかなり過ぎてからようやく終了した。
ドン・ファンの遺体は自宅から車で10分ほどの斎場に運ばれて、花に埋まった祭壇の前に安置された。遺影は「紀州のドン・ファン」のパートⅠで表紙に使ったのと同じ写真で、私が初めてドン・ファンと会ったときに撮った一枚である。葬儀屋さんがコンピューター作業で、ネクタイの色を紺からピンクに変えたりしたのだが、違和感はなかった。