紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実
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<81>早貴被告は「ワイドショーに出ないと言ったじゃない!」電話で怒り続けた
田辺市辺りの風習では、お盆までは死者の霊をなだめるため仏前に祈祷された札を置く習わしがあるようで、私も両手を合わせたものである。 早貴被告は田辺の自宅には住まず都内のマンションで暮らし、法要…
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<80>早紀被告が片付けた? テーブルから消えていた「ビール瓶」
早貴被告は、野崎幸助さんが亡くなった5月24日に私と電話で話していたときの様子をこのように話した。 「吉田さんに社長が電話をしたのは知っています。そのとき私は2階のソファで社長の横に座ってタブ…
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<79>早貴被告は急に口を開くと「社長が大下さんに3000万円を渡してくれって」
早貴被告と家政婦の大下さんはそれほど仲が良くなかったが、ある時から急速に接近した。 野崎幸助さんの通夜・葬儀の相談が終わり、私と大下さん、そして早貴被告の3人でドン・ファン宅のリビングで談笑…
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<78>早貴被告は喪主の挨拶の「ひな型」をそのまま読み上げた
「喪主さんはどなたが?」 葬儀屋さんのTさんが聞いた。30歳ぐらいの若い男性だが、懇切丁寧に通夜・葬儀のしきたりを教えてくれる。 私は事件などの取材で全国の葬儀を見てきたが、地方地方に…
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<77>早貴被告はアプリコの財産を手に入れられる立場になった
2018年5月24日に亡くなった野崎幸助さんの通夜・葬儀の段取りを決めるために、野崎さんの自宅の1階リビングに集まったのは、妻の早貴被告、「アプリコ」の金庫番の佐山さんと番頭で会社の監査役になってい…
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<76>早貴被告が「2億円をもらえれば東京に帰ります」「喪主?何ですか?」
死亡の翌日の5月25日午後4時ごろから、葬儀屋さんとの打ち合わせが始まった。メンバーは早貴被告、番頭格のマコやん、佐山さん、家政婦の大下さん、そして私だ。元従業員のMも顔を出したが、犬猿の仲の佐山さ…
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<75>早貴被告の母は本当にドン・ファンとの結婚を知らなかったのか
家政婦の大下さんと早貴被告は決して仲がいいとは言えなかったが、大下さんは番頭格のマコやんとは仲が良かったので、しばしば彼女のことをこぼしていたという。 「本当に常識がないというか、あの子、何を…
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<74>生前のドン・ファンにゴマすり…早貴被告の後見人を名乗り出た元従業員M
葬儀屋さんとの打ち合わせの前に野崎幸助さんの会社「アプリコ」に行くと、元従業員のMが来ていた。 「オレはオヤジと長い付き合いだったけれど、遺言も残していないし、一体どうなるんだろう。まあ遺言な…
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<73>野崎幸助さんの不自然な死 不審な点があり解剖された遺体
救急隊員が自宅に来てからも早貴被告が旦那=野崎幸助さんの体に触ることはなかった。いや、なかったのではなくて、しなかったという表現のほうが正しいような気がした。救急隊員は彼の蘇生ができないことを悟り警…
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<72>野崎幸助さんは午後6時半には死んでいた? 早貴被告は遺体に一度も触れず
私は大下さんが証言した「カチンカチン」に違和感を覚えていた。野崎幸助さんが倒れているのを発見した時、すでに体は硬くなっていたというのだ。 もちろん室温とか年齢、筋肉の量によって異なるらしいが…
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<71>野崎幸助さんの遺体第一発見者は早貴被告「冷たいというかカチンカチン」
「お疲れさまだったね。今お茶をいれるから」 アプリコの番頭格マコやんと一緒に野崎幸助さんの自宅に着くと、リビングにいた大下さんが立ち上がってキッチンに行った。 「いや、いいですよ。それよ…
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<70>野崎幸助さんのミエで新装したピンクの壁、予算は2500万円
2017年11月に完成した品のないピンクの塀がある野崎幸助さんの自宅に到着した。 「泥棒がこの塀に上るとシューッと水が噴き出すような仕掛けにしたんですよ」 「そんなアホな。いいかげんに話…
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<69>早貴被告がドン・ファンの死後に明かしたAV出演動機
野崎幸助さんは、殺害される前々日の5月22日から3日連続で、私に「田辺で会えないか」と電話をかけてきていた。3日目の24日、午後4時の電話で根負けした私は「あす行きます」と返事をした。その晩、ドン・…
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<68>早貴被告のAV出演歴はなぜ分かった…写真でしか見たことない女性をどう発見?
東京に戻った翌日の昼、野崎幸助さんの自宅の裏庭でイブの埋葬が行われた。イブは白い布に包まれて、1メートルほどもある深い穴に埋められた。 「あのね、6月11日にイブの告別式を白浜のホテル川久で開…
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<67>「気を付けてね」笑顔で見送るドン・ファンと永遠の別れ
待ち合わせをした喫茶店から山道を10分近く走ると、そこがスポーツ施設だった。造られたのはバブルが始まる1980年代後半で、東京ドームがすっぽり入りそうな広大な敷地に建物がポツンポツンとあった。木々の…
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<66>野崎幸助さんの死後、テレビで流れた「おじい」の動画
「かんぽの宿」の宴会場で「イブを偲ぶ会」を開いた翌日、2018年5月11日の早朝、私は野崎幸助さんの会社「アプリコ」にいた。この日の夕方に都内で用事があり戻る予定だったが、昨晩の宴会で、朝10時から熊…
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<65>早貴被告は2億円を無心に来た家政婦のドラ子に「可哀想」と同情した
20畳ほどの宴会場の中央に黒い机が置かれ、両側に5人ずつが椅子に腰掛けられるように配置してあった。野崎幸助さんと早貴被告が一番奥で、私とマコやんがその向かい、残りは従業員4人と造園会社の若社長である…
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<64>愛犬イブを偲ぶ会の時間になっても、早貴被告はスマホで会話を続けた
「そろそろ始めましょうか? 早貴さんはどこに行ったの? 呼んできてくれませんか?」 イブの偲ぶ会のため、「かんぽの宿」に先に来ていた野崎幸助さんにお願いされて探しにいくと、フロント脇の喫茶室の…
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<63>家政婦のドラ子は野崎社長に「2億円を貸して欲しい」と懇願した
イブの偲ぶ会まではまだ時間があったので、私はホテルに戻ってパソコンで原稿を書いていた。しばらくすると携帯が振動し、番頭格のマコやんの名前が表示された。 「お疲れさまです。どうしました?」 …
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<62>起訴後にようやく明かされたドン・ファン宅強盗犯の素性
2017年2月に野崎幸助さんの自宅で起こった強盗事件は何とも不可解であり、私は誰かが犯行を手引きしていると思った。 おかしなことは他にもあった。なぜか警察は逮捕後も、犯人の素性をオープンにし…