紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実
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<121>野崎幸助さんの「遺言」は公証役場に残されていなかった
和歌山家庭裁判所田辺支部での「いごん」の検認から1カ月後の10月半ば、野崎幸助さんの妹の姿が田辺市内の公証役場にあった。 「都内に事務所がある私の代理人のM弁護士さんから、兄が残した遺言書が公…
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<120>ドン・ファンの資産は凍結されたが…アプリコの運営資金1億円弱が早貴被告らに流れていた
「いごん」の文言通りであれば、野崎幸助さんの遺産は田辺市に入るから、遺言書を家庭裁判所に提出したMにはうまみがないように見えるが、果たしてそうなのだろうか? ここからはあくまで推測であるが、M…
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<119>存在を否定していた人物が急に思い出した“遺言”「5年前に自宅に送られてきた」
野崎幸助さんの遺言書の検認のため、和歌山家庭裁判所の田辺支部には早貴被告を担当している弁護士と、ドン・ファンの妹さんが依頼している弁護士、そして田辺市の職員、「いごん」を提出したMの弁護士、そしてド…
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<118>「私、いごんを認めます」「早いほうがいいんで」態度を豹変させた早貴被告
「私、いごんを認めることにしました」 早貴被告の態度が豹変したのは8月末のことだった。 「何を言っているんだ。絶対に認めないって言っていたじゃないか」 自宅リビングで彼女と向き合…
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<117>野崎幸助さんの「遺言書ネタ」を週刊誌に持ち込んだOが面会に…
野崎幸助さんの新盆を迎える2018年8月、私は早貴被告と番頭格のマコやんと3人で野崎さん宅にいた。ドン・ファンの遺言書ネタを週刊誌に売り込んでいたOが、お盆の最中にドン・ファン宅に来るというので、早…
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<116>「全財産を田辺市にキフする」赤いサインペンで書かれた異常な「いごん」
アプリコを閉鎖しようとしていた6月半ばごろに野崎幸助さんの「いごん」の存在をにおわす記事が週刊ポストに載った。具体的な内容ではなかったが、〈ドン・ファンの遺言が存在する〉〈田辺市に寄付するようだ〉と…
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<115>「アプリコ」閉鎖、従業員たちは給料1カ月分の上乗せで解雇された
田辺市内にある野崎幸助さん所有の不動産をチェックしてみた。鉄筋コンクリート造りの賃貸マンションなどが数棟あり、これらは「ピロポ」マンションと名付けられている。それを見にいった私はニヤリとしてしまった…
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<114>野崎幸助さんからの相談「プロ野球の球団を持つならいくら必要?」
野崎幸助さんの資産がいくらになるのか、もともと私は全く興味がなかった。当然ながら私のモノではないし、計算する気にもならなかったからである。ただ、付き合っているうちにぼんやりとではあるが、総額が分かる…
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<113>野崎幸助さんの個人遺産と「アプリコ」の資金をめぐる分捕り合戦に
子供がいない野崎幸助さんの遺産を受け取る資格を有するのは配偶者である早貴被告とドン・ファンのきょうだい(親族・遺族)で、このきょうだいが亡くなっている場合にはその子供も含まれる。法律的には遺産の4分…
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<112>若い従業員をクビに…権限がないはずなのに早紀被告の弁護士が差配
私はアプリコの存続を願っていたが、弁護士たちは若い従業員に対して2018年の7月末で解雇することを告げた。野崎幸助さんが亡くなって2カ月余りのスピード解雇である。ちなみに、社長となった早貴被告が会社…
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<111>巡査部長は「全然です」と…早貴被告の新宿のマンションの捜索は収穫なし
新宿区内にある早貴被告のマンションの家宅捜索は夕方になっても続き、取材するカメラマンにも疲労の色が見えるようになっていた。 「大丈夫だよ。そろそろ歌舞伎町のネオンがつくから出てくるだろう。和歌…
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<110>早貴被告の自宅マンションの家宅捜索は7時間に及んだ
私が東京駅に着いたのは午後3時前だった。 「お疲れさまでした」 「おお、悪いねえ」 東京駅の八重洲口で後輩記者のMクンが人懐っこい顔で車のハンドルを握っていた。大阪で記者活動をし…
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<109>家政婦の大下さんは自ら進んでマスコミの取材に応じた
家宅捜索に立ち会うために東京へ向かった早貴被告を見送ると、家政婦の大下さんと番頭格のマコやん、それに私の3人は、マコやんの行きつけの喫茶店で話をしていた。 前夜は陽気だった大下さんは、モーニ…
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<108>「私、逮捕されるの?」家政婦の大下さんは深刻な表情でポツリ
2018年6月1日、早貴被告は東京・新宿区内の自宅マンションで行われる家宅捜索に立ち会うため、番頭格のマコやんが運転するべンツで、家政婦の大下さんと一緒に早朝の南紀白浜空港に向かった。私も大阪まで戻…
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<107>早貴被告は週刊文春の記事をヒラヒラと揺らして笑った
「吉田さんのこと、いろいろと書かれてたから笑っちゃいました」 野崎幸助さんが亡くなって半月ほど過ぎた頃、週刊文春が私への誹謗記事を掲載した。 〈Sさん(早貴被告のこと)は吉田のことを嫌っ…
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<106>早貴被告が代理人を依頼したのはワイドショーでよく知られた弁護士
早貴被告が依頼したのはテレビのワイドショーによく出演していた弁護士で、その事務所の女性弁護士と、彼女と司法修習生時代に同期だったという大阪の男性弁護士、計2人が田辺市の野崎幸助さんの自宅までやってき…
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<105>事件について話し合っていると弁護士が突然、「アプリコ閉鎖」を従業員に告げた
早貴被告、家政婦の大下さん、番頭格のマコやんと私の4人は、何度か事件について話し合った。 「2人が疑われるのは間違いないから、やったらやったで自首すればいいじゃん」 軽い感じで私が笑っ…
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<104>関係者の動きを書き記した「野崎幸助さん殺害事件」の時系列表
ここで野崎幸助さんが亡くなった後の早貴被告を含めた関係者の動きを時系列で書き記しておこう。 5月24日(木曜) 午後10時すぎ、2階寝室で野崎さんの遺体を早貴被告が発見。消防、警察が来…
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<103>事件当日の野崎幸助さんの電話記録をテレビで証言した「謎の男性」
早貴被告は事件当日の野崎幸助さんについて、「1階のリビングでビールを飲んでから午後6時半ごろに2階に戻った」と言っている。私はこれがウソの可能性が高いと思っている。死後硬直の状態から、野崎さんは午後…
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<102>野崎幸助さんは何時に亡くなったのか 自宅にいたのは早貴被告だけ
野崎幸助さんが亡くなった時に自宅にいたのは早貴被告だけだった。外部から侵入者がいなかったことは、防犯カメラで確認されている。野崎さんの自宅は2017年に塀を新築した際に防犯カメラも付け替えた。8台の…