TVより先にネットで番組配信 フジの“新戦略”は吉と出るか

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 そこにフジテレビがHuluのライバルであるNetflixと組むと発表したのだから心中穏やかではないだろう。とはいえ、今回のフジテレビとNetflixは資本提携ではないので、他のテレビ局も同様に共同制作をやろうと思えばできるはずなので直接的な脅威ではないかもしれない。

■得するのはネット映像配信会社ばかりとならないか

 こうしたテレビ局とネット映像配信会社との協業の動きの背景には、視聴者のテレビ離れがある。総視聴時間は大きく減少してはいないものの、若者のテレビ離れは否定できない。特に地上波のドラマ視聴率はかつてのように20%超えなどということはめったにない。そうした中、スマホやタブレットでいつでもどこでも視聴できるネット配信は確かにユーザーにとって便利だろう。とにかく番組を視聴してもらい、リアルタイム視聴に戻ってきてもらいたい、というのがテレビ局の本音だが、ことはそう簡単ではない。

 そもそも、地上波やBSの無料放送に慣れた日本の視聴者が、毎月1000円程度の定額視聴料を払ってまで映像配信サービスを契約してくれるかどうかという問題がある。また、ネット視聴に慣れすぎてしまうと今度は、テレビを見る人が減ってしまうのではないか、という懸念だ。リアルタイム視聴が増えず、得をするのはネット映像配信会社ばかりなり、ということにならないためには、一にも二にも、テレビ局がより面白い番組をつくるしかないのだが……。

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