映画「シン・ゴジラ」&「君の名は。」メガヒットの意味
映画「シン・ゴジラ」に「君の名は。」と、大ヒット中の邦画で笑いが止まらないのが、東宝である。ともに配給したこの2本によって、2016年3~8月期純利益が165億円となり、114億5000万円だった従来予想より50億円、44%もの増益が見込まれるというのだ。
「シン・ゴジラ」は7月29日の公開からの2カ月で興行収入70億円を突破。8月26日公開の「君の名は。」はそれを上回り、日本のアニメ映画ではスタジオジブリの宮崎駿作品以外で初めて、興収100億円を超えている。
「日本映画の興行で、配給会社の儲けは興収の5~15%とされています。興行会社が50%、製作会社が35~45%という配分ですが、『シン・ゴジラ』の場合、東宝は製作も行い、主に自分たちのハコ(映画館)で興行しているのですから、普通の何倍もオイシイ。『君の名は。』が9月以降、本格的に業績貢献しますので、17年2月期の純利益が2期連続で過去最高となる可能性が高まっています」(映画関係者)
日本映画人気の復活で、東宝は2013年も「永遠の0」と「風立ちぬ」を大ヒットさせているが、それらが戦争を扱い、中高年が劇場に押し寄せたのに対して、今回は多くの若者たちを招きよせている。
どちらも舞台は現在。「シン・ゴジラ」は原発問題をも扱い、エンタメでありながら、問題山積の日本社会、デタラメ政治の風刺も含まれている。「シン・ゴジラ」と「君の名は。」によって、日本映画の新時代の扉が開かれたのかも知れない。