とろサーモンが証明 「芸人が面白いと思う芸人は売れる」
くすぶっていたのは村田も同じだった。仕事がないときはずっと家にいて、長渕剛の「東京」を聴きながら都会暮らしのつらさを噛みしめ、独り涙を流していたという。
そんな彼らがようやくチャンスをつかんだ。昨年末の「M―1グランプリ」で初めて決勝に進み、そのまま優勝を果たしたのだ。安定感抜群のしゃべくり漫才で見る者を魅了した。
売りは、2人ともしゃべりの技術が高いことだ。声質が明瞭で早口でも聞き取りやすい。久保田は水商売の店内放送アナウンスを再現するネタや他人をディスるラップ芸を得意としている。一方の村田も「千鳥のハンターおとも旅」などの番組でナレーションを担当している。
話芸のプロ同士が組んで漫才をやっているのだから、面白くないはずがない。満を持して決勝に進んだ2人の勇姿は多くの芸人を感動させた。やはり、「芸人が面白いと思う芸人は売れる」というあの定説に偽りはなかったのだ。