著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

実力派ゆえ 「かまいたち」は「にゃんこスター」に対抗心

公開日: 更新日:

 昨年、大流行したフレーズといえば、豊田真由子前衆院議員の「このハゲー!」だろう。流行語大賞にこそノミネートされなかったものの、その常軌を逸した暴走ぶりに日本中が衝撃を受けた。

 誰だって自分が理不尽に怒鳴り散らされるのはイヤなものだが、他人に向けられた怒りは度を越すと笑えてくるところがある。そんな「怒り」という感情に秘められたエンタメ性を生かして大躍進を遂げたのが、山内健司(36)と濱家隆一(34)のコンビ「かまいたち」である。

 彼らは昨年10月の「キングオブコント」で優勝を果たした。そのときに披露した2本のコントは、いずれも山内が怒りの感情を高ぶらせるという設定だった。1本目のコントではボケとして、2本目ではツッコミとして、気迫のこもった怒り芸で爆笑をさらっていた。

 ネタによってボケとツッコミを自在に入れ替えられるのが彼らの強みだ。山内がボケのときは濱家が冷静なツッコミになり、逆の場合は濱家がとぼけた雰囲気のボケになる。

 ところが、順風満帆に見えた彼らの前に意外な強敵が現れた。同じ大会で準優勝した男女コンビ「にゃんこスター」である。にゃんこスターは大塚愛の「さくらんぼ」のメロディーに乗せて縄跳びをする不思議なコントで世間に衝撃を与え、一気に大ブレークしてしまった。その後の全国区でのテレビ出演本数は、優勝したかまいたちをはるかに上回っていた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    露木茂アナウンス部長は言い放った「ブスは採りません」…美人ばかり集めたフジテレビの盛者必衰

  2. 2

    フジテレビ日枝久相談役に「超老害」批判…局内部の者が見てきた数々のエピソード

  3. 3

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  4. 4

    フジ女子アナ“上納接待”疑惑「諸悪の根源」は天皇こと日枝久氏か…ホリエモンは「出てこい!」と訴え、OBも「膿を全部出すべき」

  5. 5

    フジテレビが2023年6月に中居正広トラブルを知ったのに隠蔽した「別の理由」…ジャニーズ性加害問題との“時系列”

  1. 6

    中居正広まるで“とんずら”の引退表明…“ジャニーズ温室”育ちゆえ欠いている当事者意識に批判殺到

  2. 7

    フジテレビ労組80人から500人に爆増で労働環境改善なるか? 井上清華アナは23年10月に体調不良で7日連続欠席の激務

  3. 8

    “上納接待”疑惑でフジテレビ大激震…女子アナたちの怒りと困惑「#MeToo運動」に発展か?

  4. 9

    NHKは「同様の事案はない」と断言するが…フジテレビ問題で再燃した山口達也氏の“EテレJK献上疑惑”

  5. 10

    GACKTや要潤も物申した! 中居正広の芸能界引退に広がる「陰謀論」のナゼ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    露木茂アナウンス部長は言い放った「ブスは採りません」…美人ばかり集めたフジテレビの盛者必衰

  2. 2

    フジテレビ労組80人から500人に爆増で労働環境改善なるか? 井上清華アナは23年10月に体調不良で7日連続欠席の激務

  3. 3

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  4. 4

    フジテレビにはびこる“不適切すぎる昭和体質”…他局の元TVマンも「お台場だけ時が止まっている」と厳しい指摘

  5. 5

    豊昇龍は横綱昇進確実、相撲協会も万々歳だが…"朝青龍の甥”に素行や品格、技術で不安はないか?

  1. 6

    フジテレビ日枝久相談役に「超老害」批判…局内部の者が見てきた数々のエピソード

  2. 7

    GACKTは“陰謀論匂わせ”の常習者…中居引退に「裏が…」、新型コロナを「世界的な仕掛け」と指摘

  3. 8

    フジテレビの“天皇”日枝久氏が雲隠れ…社内紛糾、迷走で「院政崩壊」へカウントダウン

  4. 9

    中居正広の女性トラブル問題で大揺れのフジテレビ…社員の悲痛な叫びに賛同が広がらないワケ

  5. 10

    GACKTや要潤も物申した! 中居正広の芸能界引退に広がる「陰謀論」のナゼ