レイザーラモンRG出渕誠さん<4>個室ビデオ店で社員と喧嘩
大阪トヨタを辞めてすぐは、バイトを2つ掛け持ちした。昼間はホテルの清掃兼ベッドメーキング、夜は大阪ミナミの花屋でクラブに花を送る仕事だ。昼間が芸人の仕事で忙しくなってからも、それだけでは生活費は稼げない。99年ごろに始めたのは、個室ビデオ店のアルバイトだった。
「いかがわしいビデオが見られる店ですね。店舗の受付と清掃の仕事を掛け持ちしていて、ほぼ住んでいましたね。芸人の仕事が終わって、深夜から翌朝9時まで勤務していましたから」
会社員を辞めた後も、親に心配をかけないように働いた。店ではバイトがどんどん辞めていって、ついにバイトの身分のまま店長にまで上り詰める。時給800円で、1日8000円ほど稼いでいたという。仕入れやバイトの採用も担当していたが、社員と揉めたこともあったという。
「僕は毎日働いていたので、どういうビデオが借りられているかを自分なりにデータを取って、それを仕入れていました。自分もそうですが、最初に見たビデオって思い入れがあるじゃないですか。DVDが出てくると『古いVHSテープは捨てろ』と指示されたんです。僕は『絶対、古い女優さんを見たい人はいますから、死守しましょう』と社員たちに主張したんです。最終的には受け入れられて、後日アンケートには『小学校時代に見たアダルトビデオを探していたけど、ここで出合えました。ありがとうございました』と。『この仕事をやっていて良かったなあ』と報われた感はありましたね」