“裸俳優”原田龍二が語る「激レア3秘湯」国内300湯から厳選
2021年も日本中がコロナ禍に悩まされている。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、外出もままならない状況が続くが、明けない夜はない。感染が収まったら、緊張しきった心身を温泉でほぐしてはどうか。これまで、国内の約300湯を味わった“裸俳優”原田龍二が、温泉の魅力と将来の可能性を語りつくす。
■葉っぱで“前後”を隠し、はまった
温泉を好きになったきっかけは約8年前に放送された、バス旅の番組の道中でした。気になるバス停で降りて散策したところ、いい温泉があった。長野県の雨飾荘という宿の露天風呂なんですが、ブナの森林の中にある風呂で、すごく開放的だったんです。当時は風呂に入る目的ではなかったので、スタッフはバスタオルも何も用意していませんでした。そこで僕は、林から大きなブナの葉を持ってきて、それで“前後”を隠して入ろうと思ったのです。
そうしたら妙に開放的で気持ちよくなっちゃったんですね。こんな入り方もありなんだと。普段から、温泉番組って「許可をもらってタオルを巻いて入っています」などとテロップが出るじゃないですか。あれに違和感を覚えていたんですよ。先客の方たちに失礼なんじゃないかな、逆だったら嫌だなと思ったんです。だから、自分がもし逆の立場になったらバスタオルを巻いて入るのはやめようと思っていたんです。
それで、いざ自分が入る時、大きな葉っぱで前と後ろを隠して入った。そんなことをする必要はなかったんですけど、開放感が自分をそうさせたんでしょうね。そんなことを繰り返していくうちに温泉の良さにはまっていきました。
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■鹿児島県 薩摩・硫黄島「東温泉」
鹿児島港からフェリーで約4時間。着替える場所や休憩所などの施設は何もない「野湯」。自然の造形を生かした温泉について、原田は「目の前が海で大パノラマ。メチャクチャ気持ちいいです」と太鼓判を押す。
♨鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島
(問)℡0991・32・2370(三島村観光案内所)
「温泉の声」が聞こえる?
僕は20年5月から始めた「原田龍二の湯~チューブ!」の中で「温泉の声が聞こえる」と言ったことがあります。それは、どんな高性能マイクでも拾えない音というか、多分僕にしか聞こえない音かなと。言葉ではないのですが、「やっと来られたなあ」というふうに聞こえる。僕も「やっと来られました」と返す感じ……。大丈夫かなぁ、この話(笑い)。まあ、それくらい心のアンテナが張って敏感になるということだと思います。
■コロナ禍でも温泉気分を楽しめる
家にいながら温泉気分を味わうこともできますよ。個人的に家の風呂に入れるのが好きなのは、ヒノキのチップやもみ殻。網に入れられた状態で売っていることが多いですね。地方に行った時に買うこともあれば、首都圏の量販店なんかでも買えます。これを風呂に入れると、木の香りが「旅情」を感じさせてくれる。風呂の窓を開けると外気が入って、半露天風呂になります。あとは「明かり」ですね。浴室の電気を消して、小さな明かりだけをつける。ちょっとした明かりだけで風呂に入ってみると、日常を忘れられる空間になるんですよ。
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■長野県 雨飾荘「雨飾高原露天風呂」
原田が温泉俳優になるきっかけとなった露天温泉。番組のバス旅でフラッと立ち寄ったのが最初だったという。ブナの森林にある温泉は開放感抜群だ。
♨長野県北安曇郡小谷村大字中土18926-1
(問)℡0261・85・1607
※例年、冬季は閉業。4月中旬~11月中旬が営業期間
※上記営業期間外の冬季期間は降雪のため、施設周辺の道路は全て通行止めとなっている。
「裸」と「世界平和」
これまで、旅番組やドキュメンタリー番組でロケした時に裸になる機会は結構ありました。ただ、裸がトレードマークになったのは、16年末の、ダウンタウンさんの「笑ってはいけない」シリーズでアキラ100%さんと“裸芸”で共演させてもらった時からなんです。
それからというもの、よく「裸でいることが好きなんですか?」と聞かれます。でも、そうじゃない。僕は自分で好きで脱いでいるわけではないんです。温泉に“脱がされている”ということ。まあ、温泉に“裸にしてもらっている”という言い方もするんですけど。
結局、温泉宿でも共同浴場でも、脱いで入るとだいたい先客がいますよね。地元のおじさんとか、どこかの偉い人ということもあると思いますけど、結局、同じ「裸」です。立場を気にすることなく、温泉ではご一緒できる。“裸の付き合い”ですよ。
そういう意味では今、全人類にとって必要なものって「温泉」ではないかと思うんです。皆一緒にまず着ているものを脱いで、でっかい温泉に入れば、腹に一物あっても、拳を握っていても、気持ちよさでほぐすことができるんじゃないかと。戦争なんか起こらないだろうと思うんです。
今、ちょっと怖い世の中になっていますよね。大げさかもしれないですが、温泉は人類平和につながる「文化的ツール」かなと思うんです。コロナ禍で温泉に行くのは難しい状況だと思います。でも、コロナ禍さえクリアになれば、あとは温泉が世の中をどうにかしてくれるんじゃないかと。個人的には、そんな期待も込めて温泉と向き合っています。
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■北海道 丸駒温泉旅館「天然露天風呂」
温泉が支笏湖とつながっている。季節や雨量による湖水面の高さにより、浴槽部分の水面も上下する。原田は「湖と浴槽がつながっているんですが、浴槽側は湧き上がっていて、とても温かい。秘湯感も抜群です」と話す。
♨北海道千歳市幌美内7
(問)℡0123・25・2341
あのスキャンダルからまもなく2年…
“温泉に脱がされている”という原田の「裸」が前面に打ち出された21年「原田龍二 毎日反省 日めくりカレンダー」が発売中(1200円/税別=扶桑社刊)だ。テーマは「反省」。19年5月末に“4WD不倫”を報じられてから間もなく2年が経過する。カレンダーには、大炎上後、裸一貫で再スタートを切った原田の名言が直筆で記されている。
主な名言には〈いつでも心を裸にしよう〉〈女性の気持ちに寄り添えるようになりたい〉〈不祥事の“傷”を強みに変えるしかない〉〈自分を応援できるのは自分自身〉などがある。