<133>“無罪請負人”事務所出身の渥美陽子弁護士に相談を持ちかけると…
19年の新語・流行語大賞に選ばれた吉本興業お笑い芸人たちの「闇営業」を担当したのも彼であるから、嗅覚を持っている編集者として私は彼のことを高く評価していた。
渥美弁護士はすでに店に来て、席に腰かけていた。ネットの写真で見るよりも華奢で、どこか深窓のお嬢さまという雰囲気がある。その隣には真ん中分けの長髪に、黒縁メガネの若い男性が座っていた。上着の胸ポケットには数本のボールペンが差さっていたので見た目を気にしないタイプであると好感を持ったが、彼は渥美弁護士の事務所に所属する松永成高弁護士であった。この後我々は何度も会って情報交換や忌憚のない意見交換をするわけだが、渥美・松永両君と私とNクンは意見をぶつけながら作戦を練っていくことになる。 =つづく