BTS誕生の背景 成功のカギはマイノリティー戦略と動画配信アプリ
そこまで海外(当時は日本)に目を向けていた理由は“マイノリティー”というハンディ。韓国3大所属事務所が席巻する韓国芸能界で、BigHitのような無名事務所の新人グループに韓国の音楽番組の出演の可能性はゼロに等しく、宣伝費用を持ち合わせていなかったのです。対する日本はK-POPボーイズグループブーム。新大久保を中心にミニライブ、握手会などが開催され、実力さえあればファンがついてくる、ある意味ホットな市場だったのです。
14年、ポニーキャニオンから日本デビューした防弾少年団は、ハイタッチ会、渋谷タワレコのインストアライブなど、新人アイドルそのもの。初ショーケースは渋谷O-WESTの200人規模の会場で、地上波テレビに出演することはなく、ニコニコ動画、ネット番組がメイン。ほんの10年前は、日本で地下アイドルのようにCDを手売りしていました。
第3の柱は動画配信。いまでは韓国アイドルが全員やっている動画配信アプリ「V LIVE」でほぼ毎日発信。彼らのダンス、高い音楽性、メンバーの個性、仲の良さといった“総合力”がSNSを通して世界で認識され、自国より海外で注目を浴び、逆輸入タレントとして人気を得たのです。
そんな努力の積み重ねがBTSの地盤を築いたのです。