NHK紅白に多数出演「アミューズ」も赤字転落…大手芸能プロ苦境、エンタメ界に未来なし?
2019年の公取委介入で潮目が変わる
すでに今年度の中間決算で赤字が確定している民放キー局もあるが、民放各局が苦境にのみ込まれている影響で、今後もテレビ局の制作費削減に拍車がかかり、いま以上にタレントのギャラが安くなる見込みだという。加えて、多くのプロダクションを悩ませているのが所属タレントとの関係。
「最近は公正取引委員会などの介入が強くなり、昭和から続いてきた所属タレントとプロダクションの旧態依然とした関係が維持できなくなった。日本は米ハリウッドなどとは違い99%以上のプロダクションがタレントを売れない頃から面倒を見て、ブレークしたら5割以上の仲介手数料を取る文化が根付いていた。しかし、2019年に公正取引委員会が当時のジャニーズ事務所に対して、元SMAPの3人に圧力をかけていると警告書を出したあたりから、潮目が変わり、所属タレントらの権利や待遇改善を要求する意識が高まってきた。米倉涼子や新垣結衣ら名だたるタレントが事務所を飛び出したのも、こうした風潮が背景にあります。すでに日本のテレビや広告業界にかつての勢いはないので、今後もこうした動きは続くでしょうね」(前出の芸能プロ幹部)
話は続く。
「少し前なら所属タレントが事務所から独立した場合、芸能界を干されるのが半ば常識化していたが、今はそうしたあしき習慣は許されない。タレントたちはマスメディアを蹴落としたSNSメディアに活路を見いだし、かつて隆盛を誇ったテレビほど稼げなくとも、マージンを取られないので、そこそこの金額を手にできることが分かった。自分で発信して、完結できる時代なんです」(前出の芸能プロ幹部)
いみじくもエイベックスの松浦勝人会長が自身のユーチューブチャンネルで「日本のエンタメ界について……『未来はない』」と語るなど混迷の時代に入ったことを示唆していた。日本の芸能界の未来は果たしてどうなるのか。