松坂桃李「御上先生」第2回は視聴率ダウンも…“学園モノ=鬼門”を覆したTBS日曜劇場の絶妙すぎるバランス
「御上先生」は文科省のエリート官僚が派遣制度で私立進学高の3年の担任教師となり、《令和の18歳と共に日本教育に蔓延る腐った権力へ立ち向かう大逆転教育再生ストーリー》(公式HPより)だ。
初回放送後のネット上では《従来の学園ものにはない新鮮さがある》《松坂桃李さんの演技が引きつける》《殺人事件との関連や文科省との戦いがどう展開していくのかワクワクする》など肯定的な意見が目立ち、第2回放送後も《素直に次が見たい逸品》《ギリギリの進行が絶妙》などと“継続決定”の声が多い。レビューサービスFilmarksでの評価も5点満点で3.9(27日現在)とまずまずだ。
■「『御上先生』は戦う相手が“日本社会”とはっきりしている」
テレビコラムニストの亀井徳明氏は「視聴率とネットの評価、両方取りにいったな、という印象です」と、こう続ける。
「視聴率が作品の優劣を示すものではないですが、日曜劇場を習慣的に見ているリアタイ視聴者層にとっては、主人公が病気や事故、犯罪などと戦う“善”と“悪”の構図がはっきりしていることが大事で、そういう作品が数字につながっていました。ただ、あまり分かりやすすぎると、ネット上では評価されにくい。前クールの『海に眠るダイヤモンド』が作品としての評価は高かった割に視聴率に結びつかなかったのはそこです。その点『御上先生』は戦う相手が“日本社会”とはっきりしている。さらに、初回は冒頭に不穏な殺人事件で始まりながら、クセの強い教師vs.闇を抱えた生徒という学園ものの定番もしっかり描くという、変化球と直球のバランスが絶妙でした。日曜劇場以外では数多くの問題作、名作、ヒット作を生んできたTBSがそのノウハウを日曜劇場でも発揮して、クライマックスとなる卒業シーズンをどう描くのか。今から気になります」