<98>地下鉄に毎日乗って、毎日撮って…よく飽きないでやってるね
フィルムを捨てて納得してもらったが…
そういうときに交番で言われたことで、よく覚えてるのが、「どうして事件も起きてないのに撮るんだ?」って言葉だね。時代は60年代、要するに事件もないんだし、“決定的瞬間”ってやつがないんじゃ、写真は撮るもんじゃないって考えなんだよなぁ。「日常がいちばんドラマティックなんだ」って、オレが答えたところで、まあ通じやしないんだけど。
それで最後は「じゃあ(カメラ)開けちゃいますから」って言って、フィルムを捨てて、納得してもらってたんだよ。でもね、交番に行くまでの間にフィルムを交換してたんだよね(笑)。
(構成=内田真由美)