お車代はボランティアで渡しているわけではなかった
編集部の雑音が遠くで渦を巻いていた。
取り返しのつかないことをやってしまった。このことは汚点として記憶されている。
封筒を受け取らないことは、いい話でもなく、自分に酔っているからでもなく、ましてや自慢でもない。
お車代をもらうということは、テーブル下でのビジネスを受け入れたことになる。
1点の黒点を体に刻印した私は、いまも身を処すときの最大級の戒めにしている。