普通の人の10倍 睡眠時無呼吸症候群が招く“緑内障リスク”

公開日: 更新日:

「血液中の酸素濃度は“動脈血酸素飽和度”という指標で表されます。正常時には96%以上ありますが、SASの患者さんは無呼吸時に90%以下に低下します。その結果、酸素不足から目の中の動脈が詰まったり、血液が十分行き渡らないことで、目の病気が発症すると考えられているのです」(清澤院長)

■必ず眼科で検査を受けること

 問題はSASの合併症の中にわが国の失明リスク1位の緑内障が含まれている点。しかも、その発症リスクは普通の人の10倍だという。緑内障は高い眼圧により神経細胞がダメージを受けることで発症することが知られている。トイレでいきんだり、重たい物を持ったときに一瞬呼吸が止まる。SAS患者に緑内障が多いのも同じ理由からなのだろうか?

 先月初旬、その答えとなる研究論文を北海道大学大学院の研究グループが米国科学雑誌に発表した。コンタクトレンズ型眼圧計を用いて、7人のSAS患者の睡眠中に「脳波」「呼吸」「筋電図」「心電図」「いびき」「酸素飽和度」を測定したところ、睡眠中に呼吸が止まったときの方が、止まっていないときに比べ眼圧が下がったという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較