普通の人の10倍 睡眠時無呼吸症候群が招く“緑内障リスク”
「血液中の酸素濃度は“動脈血酸素飽和度”という指標で表されます。正常時には96%以上ありますが、SASの患者さんは無呼吸時に90%以下に低下します。その結果、酸素不足から目の中の動脈が詰まったり、血液が十分行き渡らないことで、目の病気が発症すると考えられているのです」(清澤院長)
■必ず眼科で検査を受けること
問題はSASの合併症の中にわが国の失明リスク1位の緑内障が含まれている点。しかも、その発症リスクは普通の人の10倍だという。緑内障は高い眼圧により神経細胞がダメージを受けることで発症することが知られている。トイレでいきんだり、重たい物を持ったときに一瞬呼吸が止まる。SAS患者に緑内障が多いのも同じ理由からなのだろうか?
先月初旬、その答えとなる研究論文を北海道大学大学院の研究グループが米国科学雑誌に発表した。コンタクトレンズ型眼圧計を用いて、7人のSAS患者の睡眠中に「脳波」「呼吸」「筋電図」「心電図」「いびき」「酸素飽和度」を測定したところ、睡眠中に呼吸が止まったときの方が、止まっていないときに比べ眼圧が下がったという。