【小児頭痛外来】東京医科大学病院小児科(東京都新宿区)
「治療は、患者教育を中心とした非薬物療法が基本になります。片頭痛は、『光』『音』『臭い』などに過敏に反応して悪化するので、そのような外的刺激を少なくする。睡眠リズムも重要で、適正睡眠時間は小学生9時間、中学生8時間、高校生7時間以上を目安に整えます」
ストレス、天候変化、疲労、月経周期なども誘因になる。頭痛ダイアリーをつけて、自分の誘因を見つけて極力避けるのだ。勉強は減らすのではなく、ストレスを回避することを考える。ゲームは完全にやめさせると、かえってストレスを増やすので、ストレス解消程度に時間を決めてやらせる場合もある。
しかし、これらの非薬物療法で改善がみられなければ、頭痛が起きたときに痛みを抑える鎮痛薬を使う。
「主に、アセトアミノフェンやイブプロフェンを使い、吐き気があれば制吐剤も併用します。薬は飲むタイミングが悪いと効きません。痛みが我慢できなくなったら飲むのではなく、痛み出したら30分以内に飲むのがポイントです」
鎮痛薬が無効なら、10歳以上の場合では大人の片頭痛で使う「トリプタン製剤」を処方する場合もある。さらに、吐くような重度な片頭痛が月3~4回あるようなら予防薬を検討する。一般的には三環系抗うつ薬や抗てんかん薬が処方されるが、同外来では副作用の心配がほとんどないビタミンB2から処方するという。
「頭痛への不安を持つことが悪いので、最初から薬に頼るのではなく、小児の片頭痛はどういう病気なのかをよく理解してもらうことが大切です。頭痛と上手な付き合い方ができれば、6~8割前後は改善します」