東海圏の自殺リスク 岐阜県北部がワースト3
■鳥羽と志摩は対蹠的
しかし、1980年代以降の再開発によって、ドヤ街も消滅したのです。いまや笹島には高層ビルが立ち並び、名古屋駅東口(大名古屋ビル側)とともに大発展を遂げています。都市化が進み、住民が入れ替われば、自殺のリスクも低下するのです。ただ工場や倉庫が立ち並ぶ港区は、ワースト10入りしています。
三重県では、いなべ市がワースト4位に入っています。名古屋の通勤圏とはいえ、養老山地と鈴鹿山脈に挟まれた谷あいの自治体です。養老山地を挟んだ北隣の岐阜県海津市も、自殺リスクが高くなっています。ところが桑名市がベスト3位です。桑名から名古屋はすぐですが、いなべや海津から桑名に出るのに時間がかかります。長時間通勤が災いしているのかもしれません。
鳥羽市と志摩市の関係は不思議です。隣同士でありながら、鳥羽市はベスト2位、志摩市はワースト5位なのです。数字は5年間の平均値なので、統計的な揺らぎは少ないはず。気候や地形以外の、何か別の要因が絡んでいるのでしょう。