著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

東海圏の自殺リスク 岐阜県北部がワースト3

公開日: 更新日:

■鳥羽と志摩は対蹠的

 しかし、1980年代以降の再開発によって、ドヤ街も消滅したのです。いまや笹島には高層ビルが立ち並び、名古屋駅東口(大名古屋ビル側)とともに大発展を遂げています。都市化が進み、住民が入れ替われば、自殺のリスクも低下するのです。ただ工場や倉庫が立ち並ぶ港区は、ワースト10入りしています。

 三重県では、いなべ市がワースト4位に入っています。名古屋の通勤圏とはいえ、養老山地と鈴鹿山脈に挟まれた谷あいの自治体です。養老山地を挟んだ北隣の岐阜県海津市も、自殺リスクが高くなっています。ところが桑名市がベスト3位です。桑名から名古屋はすぐですが、いなべや海津から桑名に出るのに時間がかかります。長時間通勤が災いしているのかもしれません。

 鳥羽市と志摩市の関係は不思議です。隣同士でありながら、鳥羽市はベスト2位、志摩市はワースト5位なのです。数字は5年間の平均値なので、統計的な揺らぎは少ないはず。気候や地形以外の、何か別の要因が絡んでいるのでしょう。

【連載】大都市圏なんでも健康ランキング

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