大阪市はなぜ自殺者が多いのか?
関西圏(大阪府・京都府・兵庫県)は、自殺リスクが比較的低い地域です。京都府の標準化死亡比は89.8。京都府民が自殺するリスクが、全国平均の89.8%であるということです。兵庫県は97.9、大阪府は100.2で、全国平均並みです。
ところが大阪市に限って、116.0という悪い数字になっています。〈表〉は圏内の人口5万人以上の自治体について、標準化死亡比のベスト10、ワースト10をまとめたものです。表から明らかなように、ワースト10の大半は大阪市で占められています。ワースト1位は西成区。自殺リスクは全国平均の2倍以上に達しています。首都圏では横浜市中区や東京都台東区といった、いわゆるドヤ街を抱えている自治体の数字が、突出して悪くなっています。関西でも同様に、あいりん地区を抱える西成区が突出しているのです。
しかし大阪市は、他の多くの区でも標準化死亡率が100を超えているのが大きな特徴です。全24区中、100未満はわずか8区に過ぎません。福島区は、大阪市から唯一、ベスト10入りしています。また鶴見区と、東・西淀川区が80台になっています。