東海圏の自殺リスク 岐阜県北部がワースト3
東海圏(愛知・岐阜・三重)は自殺リスクが低い地域です。とはいえ自治体間の格差は、それなりにあります。〈表〉は圏内の市区について、自殺の標準化死亡比のワースト10・ベスト10をまとめたものです。
ワースト1位は岐阜県下呂市、2位が飛騨市、3位が高山市。すべて岐阜県北部という意外な結果になっています。温泉があり、映画「君の名は。」の舞台になるなど、いかにも日本情緒あふれる、のどかな山あいの町を連想しがちですが、自殺リスクは、全国平均の1.5~2倍もあるのです。岐阜県北部は冬の晴れ間が少なく、雪が多いため、住民は家にこもりがち。それがうつ状態を引き起こし、自殺の多さにつながっているのかもしれません。
愛知県は全体の標準化死亡比が86.7、名古屋市に限っても89.5という低い数字になっています。名古屋市には、山谷やあいりん地区のような、大きなドヤ街がありません。以前は名古屋駅の西口(ビックカメラ側)から南側の一帯が「笹島ドヤ街」などと呼ばれていました。この地区の職安を囲むようにして、最盛期には日雇い労働者向けの木賃宿が100軒近くあったといわれます。