著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

「外用薬」だからとルーズに使っていませんか?

公開日: 更新日:

 目薬や塗り薬といった外用薬は、使う薬の量を節約しすぎて余らせてしまいがちですが、適正に使用することで余らなくなります。外用薬は、内服薬や注射薬に比べて“身近”に感じるためか、消費期限や使用量に対する意識が低くなり、ルーズに使いがちになっている方も少なくないのではないでしょうか。

 これまで「外用薬であっても、使う量が少なすぎるのはよくない」というお話をしてきましたが、逆に「外用薬だから少々たくさん使ってもよいのではないか」と考えている患者さんも多いようです。しかし、外用薬といえども使い過ぎはよくない薬もありますので、注意が必要です。

 例えば、使い過ぎてはダメな点眼薬として、緑内障の治療薬のひとつである「β遮断薬」(チモプトール、ミケラン、リズモンTG、コソプトなど)に分類される薬が挙げられます。緑内障は年齢とともに罹患しやすくなり、40歳以上では20人に1人がかかる病気です。他人事とはいえません。

 緑内障は視野が狭くなり、かつては失明してしまう患者さんもたくさんいた難病でした。しかし、現在では手術や点眼薬での治療によって治る病気となってきました。そんな緑内障治療薬として使われているβ遮断薬は、「使い過ぎることで効果が弱くなってしまう」ことが知られています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし