スマホを用いたICT医療の導入で医療費8%と入院日数15%の削減に成功

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「遠隔医療によって医師は自宅に帰れるし、ムダな緊急時の待機時間が抑えられるのでICTの活用は医療現場の働き方改革になるのです。それに適切な処置のスピードが向上するので、患者さんのメリットも非常に大きい」

■過去の患者情報を医療機関で共有する試みも

 同大ではJoin導入前後を比較して、ICTを用いた脳卒中治療の効果実績を調べている。それによると「診断時間40分削減」「直接的医療費8%削減」「入院日数15%削減」という結果が出されている。

 Joinを使って遠隔で医療画像を確認した3642症例(昨年7月1日時点)において、診断に問題があった症例は1例も確認されていないという。

 もうひとつ進めているのは「パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)」。患者本人が自らの健康・医療情報を経年的に把握できる仕組みの構築だ。

「PHRは、つまり病院がもつ医療情報を患者さんのスマホに返す仕組みです。これによって患者さんは緊急時など過去の医療情報を別の医師(病院)へ渡すことができます。また、患者さんに同意の取れた医療情報はクラウドに集積し、研究機関や企業が活用できるようにします。そのビッグデータはAI(人工知能)の開発にも大いに役立ちます」

 外来患者の負担を減らすアプリ(診察券・処方箋・領収書の電子化、オンライン決済など)もすでに実用されている。血圧や脈波などのデータが医師のスマホと共有ができる腕時計型端末や、人型ロボット「ペッパー」が測る血圧測定(白衣高血圧の防止)なども開発中という。

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