重大病を引き起こすことも くしゃみを我慢してはいけない
圧迫骨折が怖いのは、内臓の病気が続くリスクが高まることだ。
「骨折で前かがみの姿勢になると肺や心臓、内臓などが圧迫されます。肺活量や心臓の機能低下により、疲れやすくなり、心不全のリスクが高まる。胃や食道が圧迫され、物が食べられなくなり、胃液が食道に逆流する『逆流性食道炎』になる人もいます」(水井院長)
口や鼻を覆ってくしゃみを遮ると、さらに危険だ。上気道への圧力は通常のくしゃみの5~24倍になるとの報告もある。
実際、英国の医学雑誌「BMJ」は鼻と口を覆ってくしゃみを抑えようとした34歳の男性が、咽喉の後ろにある梨状窩という部分に穴を開けたとの症例報告を掲載した。
「鼻をつまんでくしゃみをして耳の中を傷つけ、外リンパ液が中耳に漏れて聴覚や平衡障害を起こす子供も珍しくありません」(慶友銀座クリニック・大場俊彦院長)
■血圧を上昇させ、目にもダメージ
くしゃみは血圧も上昇させる。
秋田県立脳血管研究センターが高血圧の人を対象にした調査では、平均48㎜Hg上昇させた。これは咳(81㎜Hg)や和式での排便(77㎜Hg)に及ばないが、喫煙(38㎜Hg)を上回る。