重大病を引き起こすことも くしゃみを我慢してはいけない
こう言うのは、日本整形外科学会認定専門医で「みずい整形外科」(東京・目黒)の水井睦院長だ。脊椎圧迫骨折とは、外傷や椎骨の衰弱が原因で起きる脊椎の骨折のこと。首回りの頚椎圧迫骨折、胸椎が骨折する胸椎圧迫骨折、腰椎が骨折する腰椎圧迫骨折の3種類ある。
「くしゃみで骨折しやすいのは12番目の胸椎とそれに連なる1番腰椎です。湾曲した背骨の頂上付近の力学的に負荷がかかりやすい場所です」(水井院長)
骨折すると、動けないほどの激しい痛みが起きる。骨折の破片が脊柱の内部に入り込み神経を刺激してしびれやマヒを起こすこともある。
しかし、糖尿病などで神経障害がある人や高齢者の中には、痛みをさほど感じない人もいる。
「『背中が曲がっている』と他人に指摘されたり、『背が縮んで洗濯物が干せなくなった』ことで、初めて骨折に気がつく人もいます。骨折したままにしておくと、背骨のバランスが悪くなり、他の骨への負担が大きくなる。背骨が折れると、1年以内に次の骨折が起こる確率が高くなるという研究報告もあります」(水井院長)