重大病を引き起こすことも くしゃみを我慢してはいけない
脳神経外科の専門医で「赤坂パークビル脳神経外科」(東京・港区)の福永篤志医師が言う。
「突然死を招く重大病として知られる『くも膜下出血』最大の原因は脳動脈瘤の破裂です。その発生時の状況を調べた研究では咳が7番目に挙げられており、くしゃみはありません。しかしこれは単発のくしゃみに比べて連続して出る咳の方が血圧上昇が高いからでしょう。連続して出るくしゃみの場合は、咳並みに警戒する必要があるのかもしれません」
先に紹介した医学雑誌「BMJ」も脳動脈瘤破裂などへの警戒を呼び掛けている。
目へのダメージも侮れない。「清澤眼科医院」(東京・南砂)の清澤源弘院長が言う。
「くしゃみで白目が鮮やかに赤くなるのは静脈圧が高まり、網膜下の血管が破綻した結膜下出血の場合です。また、くしゃみをしたときに飛蚊症が起きて、調べてみたら網膜剥離や硝子体出血が見つかったというケースもあります」
くしゃみを止める方法はよく話題になるが、必ず止める方法などないし、止めるのは危険だ。せいぜいくしゃみをするときは口や鼻を軽く覆って、人のいない方向にすることに努めることだ。