<4>夫婦で全国「猫旅」に出かける 台湾やロシアへも
当然、被写体のメインどころはりゅう君らが務めることになった。
「初めの頃は日々の猫の姿をそのまま撮影していただけでしたが、そのうち彼女はカルチャーセンターの猫写真講座に通い出しました。すると、写真の技術が上がっただけでなく、撮影のロケーションや雰囲気にも凝るようになったのです」
そんな佳江さんに連れられ、いろんなところへ出かけたという。最初の頃は近所や新宿中央公園。遠出の旅行先では猫探しが必須条件だった。
「2人で旅行に出かけるときは、妻の実家に猫を預けていました。旅行がてら猫も見に行くというのではなく、猫そのものが目的です。猫で有名な尾道、新潟市のオーナーが猫好きのワイナリー『カーブドッチ』、北九州小劇場というすてきな劇場で公演した時は、休演日に彼女を呼んで門司港にも行った。そこへ猫が登場し、妻は何枚もシャッターを切っていました」
猫好き夫婦は海外にまで足を延ばす。
「台湾も猫のために行った。妻がチェブラーシカの大ファンだったこともあって、ロシアにも行きました」
だが、ロシア行きの前、がんは骨に転移していた。 =つづく