医師がよく言うお酒の「適量」 その根拠となる研究とは?
お医者さんは「飲むなら適量」と言いますが、お酒は飲み始めれば飲み足りないか、飲み過ぎるかのどちらか。ちょうどいいなんてありません。お酒の適量って何ですか?
お酒を飲み過ぎるとさまざまな病気になります。お酒の適量とはお酒で健康を害さない、安全な酒量をいいます。その数値は飲酒量と総死亡率の関連を調べた研究からはじき出されることが多いようです。
例えば飲酒習慣のある健康な人のその後10年余りの死亡状況を調べた32の研究を分析したものがあります。総対象者数は90万8132人、観察期間中に亡くなった人は8万6941人です。研究には日本人を対象とした研究が3つ含まれています。
その結果から導き出された曲線は、その形から「Jカーブ」と言われ、1日に純アルコール量7グラム(日本酒0・3合)を取る人の総死亡率が最も低いものでした。それを超えると死亡率は上昇に転じ、1日40グラムでお酒を飲まない人と同じ死亡率となり、それ以降は飲酒例に比例して死亡率は高くなります。
つまり、この研究に限れば1日のアルコール摂取量40グラムが健康を害さない上限の酒量ということになります。ですからお酒を飲まない人より総死亡率が低いこの数字が、お酒の適量といえるのかもしれません。