老後の生活設計の参考にすべき 「平均余命」とは何か?
老後を考える上で、平均寿命はあまり参考にならないという話をしました。平均寿命を信じると、自分の老後の長さを過少評価してしまいます。そのまま老後設計をしてしまうと、生活資金が途中でショートする危険すらあるのです。
ではどうすればいいのでしょうか。
平均寿命とよく似た言葉に「平均余命」があります。各年齢において、平均してあと何年寿命が残っているかを示した数字です。これを参考に老後設計をすればいいのではないでしょうか。
2017年における男性の平均寿命は81.09歳でしたが、50歳の人の平均余命は32.61年でした。つまり、50歳男性は平均して82.61歳まで、平均寿命よりも1.52歳長く生きることになります。
平均余命の計算方法は、平均寿命と基本的に同じです。ただしベースとなる年齢が違います。いま、50歳で生存している男性が10万人いるとしましょう。この人数に、いま分かっている各年齢の死亡率を掛け合わせると、51歳までに254人、52歳までに277人といった具合に亡くなっていきます。そして生存数が0になるまでシミュレーションを続けていって、余命の平均を計算するのです。