国もそのつもりで動き始めている 「死ねない時代」が到来
「LIFE SHIFT~100年時代の人生戦略~」(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、東洋経済新報社)を読まれた方も多いことでしょう。
今の子供たちの平均寿命は100歳を超えていく、そんな来るべき長寿時代に対応するためには、人生設計の考え方から変えていかなければならない、といった内容です。
「人生100年だなんてまったくの絵空事」と思う人は、今ではほとんどいないはずです。ただし大多数の中高年にとっては、あまり心に響かない話かもしれません。
「自分も100歳近くまで生きそうだ」と本気で思っている人は、ほとんどいないでしょう。試しに大学時代の友人や職場の同僚に、何歳ぐらいを人生のゴールにしているのか聞いてみてください。大半が70代か、せいぜい80歳と答えるはずです。あなた自身、78歳ぐらいだと思ってはいませんか。
しかし事態はもっと深刻です。国もそのつもりで動き始めているのです。たとえば厚生労働省が高校生に、年金の仕組みを説明するために作成した資料があります。その最初の項のタイトルが「100歳まで生きるが当たり前の時代に?」です。本文には次のように書かれています。