ホントに必要?ダイエット中の「朝食」問題を専門家に聞く
ダイエットをする人のなかでよく議論になるのは「朝食は抜いた方がいいのか、食べた方がいいのか」だ。「現代人は食べ過ぎで朝食は抜く方がいい」という人もいれば「朝食は一日で最も大切な食事。抜くと太る」という人もいる。運動も「それだけではやせないのでやらなくていい」という一方で「筋トレと有酸素運動を組み合わせると脂肪が燃焼しやすい。した方がいい」という意見もある。どう考えればいいのか? 時間栄養学の研究者で栄養士でもある早稲田大学持続型食・農・バイオ研究所重点領域研究機構招聘研究員の古谷彰子氏に聞いた。
「朝食抜きがいい」と主張する人は以下のような理由を挙げている。「もともと、ヒトは3食を取る文化を持っていなかった」「現代人は栄養が足りていて3食は取り過ぎ」「胃腸を休める暇がないので体に悪い」「ヒトの生理機能は『排泄』『消化』『吸収』に分かれ、午前4時から正午までは『排泄』の時間帯。そのときに食べると十分な排泄が行われなくなる」などだ。どれももっとものように聞こえるが、「やはり朝食は取った方がいい」と古谷氏は言う。
「欧米人は『朝食は王様のように、昼食は王子のように、夕食は貧民のように食べよ』と言い、中国人は『朝食は栄養豊富に食べ、昼食は腹いっぱいに食べ、夕食は少し食べる』ことにこだわります。朝食の大切さは古今東西変わりません。それは地球上の生物は24時間周期からなる体内時計があり、それが乱れると睡眠障害や肥満などのリスクを高めるからです。朝食は日々ずれる体内時計をリセットする役割を担っているのです」