離れて暮らす老親に突然のがん宣告…「看取り」経験を聞く
どちらも主治医と同様、抗がん剤は難しいとの意見でした。
そこで問われたのは、最期を迎える場所です。父親は母親と同い年ですし、「自宅で」は家族の負担が大きすぎる。「病院で」と答えると、医療コーディネーター(地域連携センター看護師)から、すぐに緩和ケア病棟へ入院するための登録をすべきと勧められました。
母親が入院中の病院は急性期病棟で長くは入院できない。登録をしておけば、すぐに緩和ケアを専門に手がける病院の病棟に入院できるし、もしベッドが空いていなければ、一般病棟に入院し、緩和ケアを受けられるとの説明でした。
■疑問点は何でも医療コーディネーターに相談
今回の経験で強く感じたのは、家族だけで抱え込まず、疑問点や不明点は何でも医療コーディネーターに相談すべきということ。
とにかく毎日、何らかの決定を迫られる。判断に迷うことも多い。たとえば母親への告知についても、時に父親を交えて医療コーディネーターと何度も話し合い、最終的に告知はしないと決めました。