離れて暮らす老親に突然のがん宣告…「看取り」経験を聞く

公開日: 更新日:

 どのタイミングでどういうふうに伝えるかなども、医療コーディネーターに相談に乗ってもらった。今は告知が当然。主治医も「告知が基本」という意見でしたが、最終的には家族の意見が尊重されました。

 もうひとつ感じたことを挙げると、オプションをたくさん考えた方がいい。緩和ケア以外の選択肢はないのか、退院したらどうなるのか、などです。これらは自分から聞かないと教えてくれない。私は有料老人ホームについても調べていましたし、一時的に自宅に戻った時、医師の往診を受ける準備もしていました。結局、母親は急性期病院に入院中に転んで骨折し、自宅に戻れず、緩和ケア病棟に移って1週間もしないうちに亡くなったのですが……。

 今は父親が一人暮らし。ケアマネに相談し、慣れるまではヘルパー週3回、デイケア週2回、計5日は1日1回だれかと顔を合わせて話せる状況をつくっていました。私も1日2回、国際電話をかけています。握るだけで救急信号がセキュリティー会社に送信されるペンダントも渡している。さまざまなサポートを利用すれば、高齢の親でも一人暮らしは可能だと感じています。

 ただし、それも自分で体を動かせる間。歩けなくなったらどうする? それは老人ホームだよね――。母親の死をきっかけに、父親と話し合うことができました。

(談・シェリーめぐみ)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」