著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

急逝した大谷の同僚も医療用麻薬…使用量を国際比較すると

公開日: 更新日:

 チームメートの大谷翔平選手(25)も、ショックでしょう。米紙ロサンゼルス・タイムズは、7月1日に27歳で急逝したエンゼルスのタイラー・スカッグスの死因が、医療用麻薬とアルコールを摂取した後、嘔吐物を喉に詰まらせたことによる窒息死と報じています。

 遺族の声明文によると、警察は、球団関係者が医療用麻薬の提供に関与した可能性を含めて捜査中とのこと。社会問題になっている医療用麻薬の乱用が、改めて浮き彫りになった格好です。

 もちろん依存が疑われるほどの乱用は、よくありません。しかし、痛みをしっかり取ることは、医療の基本。今回、この報道を取り上げるのは、あくまでも痛み治療という視点です。

 4年前、トヨタ自動車のジュリー・ハンプ元常務が麻薬取締法違反の容疑で逮捕されたことを覚えている方もいるでしょう。膝の痛みを和らげようと、米国から国際宅配便で医療用麻薬成分「オキシコドン」を含む錠剤57錠を密輸した容疑で、明らかに違法です。

「膝の痛みに医療用麻薬を使うのか」と思われるかもしれませんが、米国では抜歯後の痛みや生理痛、ケガの痛みなどに医療用麻薬が幅広く使われています。元役員は慢性的な痛みを取るため、日常的にこの薬を使っていたわけです。処方された薬を父に送ってもらったといいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」