逆流性食道炎を予防 赤ワインを飲んだ後は頭を高くして寝る
逆流した胃酸が歯のエナメル質を溶かしたり、のどを痛めたり、高齢者などは逆流性食道炎から誤嚥性肺炎を発症することにもなるのです。
■ポッコリお腹の人は注意
では、これらを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?
逆流性食道炎の多くは寝ている間に発生します。皆さんもお酒や食事をたくさん召し上がった夜に胃の中の酸っぱいものがこみ上げてきたり、その翌日にひどい口臭や胸やけを経験したことがあるはずです。それは体を横にすると食道も縦から横になるため、胃酸が逆流しやすくなるからです。寝ている間は胃酸を中和したり、食道を洗い流してくれる唾液量も減るため、症状が出やすくなるのです。
できたら寝るときは頭側の敷布団の下に座布団を敷くなどして、なだらかな傾斜をつくってから体を横にするようにしましょう。このとき体の左側を下にして寝るといいでしょう。胃は噴門から体の左側に大きく膨らんだ弓のような形をしているため、体の左側を下にして横たわれば胃液をためる場所ができて、胃酸が逆流しづらくなるからです。ただ時々、胃がねじれていたり、ひっくり返っていて逆に症状が悪化する方がいますので、頭側を上げる方法の方が無難かもしれません。
また、ポッコリお腹の人は腹圧の関係で逆流性食道炎になりやすいといわれます。日ごろから痩せる努力をすることも大切です。
(国際医療福祉大学病院内科学・一石英一郎教授)