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水井睦みずい整形外科院長

みずい整形外科院長。日本整形外科学会認定専門医、同会認定脊椎脊髄病医、同会認定リウマチ医、日本体育協会認定スポーツドクター。1995年北里大学医学部卒業。横浜市立大学医学部整形外科入局。大学病院、国立病院などを経て、2005年から東京・祐天寺にて開院。

転びかけた子供の手を引っ張った後、急に痛いと泣き出した

公開日: 更新日:

【Q】 転びかけた子供の手を引っ張った後、急に「痛い」と泣き出し、肩を上げず、手を動かさなくなりました。どんなケガでしょうか? (子煩悩な37歳の男親)

【A】「肘内障」と呼ばれるケガでしょう。「肘がはずれた」と表現される病態で、就学前のお子さんに多く発症します。

 ご質問の親御さんのように子供と手をつないで歩いているときに、子供が転ぶのを防ぐため、とっさに子供の手を引いた際に発症するのが典型です。

「肩がはずれた」ということで来院され、実際は肘だったということも少なくありません。

 主な症状は痛みです。腫れや関節の変形などはみられません。肘の関節の外側を押すと痛みを訴えます。前腕の手のひらが下に向くように回転させて軽く肘を曲げ、肩を動かさないようにして手を使おうとしない姿勢を取り続けます。簡単に言うと、痛くて腕をだらりと下げて手を動かさなくなる状態です。

 原因は強い牽引力に前腕の手のひらを下に向くよう回転させる力が加わったことで、2本ある前腕の長い骨の1本である、橈骨の端にある円盤状の部位(橈骨頭)を取り巻く輪状靱帯がはずれかかっているためです。脱臼とは関節を構成する骨同士の関節面が正しい位置関係を失っている状態を言います。亜脱臼は、一度何らかの原因によって、脱臼を経験した部位が、治療後も軽度な力が加わっただけで、脱臼を繰り返してしまう病気のことですが、肘内障で橈骨頭が亜脱臼することがあります。

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