正月明けに寝苦しさや寝起き後の疲れが…夜間低血糖を疑え
年末年始ゆっくり休んだはずなのに寝苦しく、歯ぎしりがひどく、寝汗をかいて眠りが浅く、悪夢ばかり見る。朝起きると疲労感があり、頭痛や肩こりがひどい。そんな人は「夜間低血糖」を疑った方がいいかもしれない。夜間低血糖は心臓突然死や骨折などのリスクを高めることもわかっている。「北品川藤クリニック」(東京・品川区)の石原藤樹院長に聞いた。
「低血糖とは、血糖値が正常範囲以下にまで下がった状態のことを言います。自律神経および中枢神経の機能異常を来し、発汗、不安、動悸、頻脈、手指のふるえや頭痛、視力障害、凝視、空腹感、引き込まれるような異常な眠気、重症で見られる痙攣、昏睡状態などの症状が表れます。眠りが浅い、夜中に目が覚める、悪夢を見る、というのは夜間低血糖の症状のひとつです。下がり過ぎた血糖値を上げようとしてストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールやアドレナリンなどが一斉に分泌され、交感神経が優位になることで起こります。その結果、悪夢や寝汗、歯ぎしり、筋肉のこわばりが増えて、朝起きたときに頭痛や肩こり、疲労感が残ってしまうというわけです」
夜間低血糖を起こしている人は起床時の血糖値が高くなる。「200ml/㎗以上」という人も珍しくない。下がり過ぎた血糖の反動として血糖を上げるホルモンが大量に分泌され肝臓でのグリコーゲンの分解や糖新生が促進されてしまうからだ。