115年といわれるが…人間の「寿命の限界」はいくつなのか
しかも人間には細胞死の仕組みがある。
「人類は37兆個の細胞からできていて、この37兆個の細胞が死ぬと個であるヒトも死んでしまいます。その細胞には2種類の死に方があります。外側からの衝撃などで死んでしまう『壊死』と老化した細胞やウイルス、放射線、ホルモンなどの刺激により機能が低下した細胞を細胞自身が殺してしまう『自死』です。これは大腸菌などの『1倍体生物』にはない仕組みです」(林院長)
1倍体生物とは染色体(遺伝子のセット)を1つしかもっていない生物をいう。栄養がある限り分裂して数が増えていく。地球に生命が誕生して20億年近くは大腸菌のような1倍体生物しかおらず、死の遺伝子は持ち合わせていなかった。
その後、「自死の遺伝子」を持つ生物があらわれた。それが遺伝子セットを2つもつ「2倍体生物」で、人類はその一員なのだ。
2培体生物のほとんどは人間のようにオスとメスの生殖によって子供を作る。これを「有性生殖」といい、大腸菌のような「無性生殖」とは一線を画している。