115年といわれるが…人間の「寿命の限界」はいくつなのか

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 実際、100歳以上が急増している日本といえども、これまで115歳を超えた人はほとんどいない。世界を見回してみても現在、正確な記録が残っている範囲で最も長生きした人は、1997年に122歳で亡くなったフランス人ジャンヌ・カルマンという女性だが、これは例外中の例外だ。研究では今後カルマンさんを超える長寿があらわれる確率は極めて低く、でたとしてもせいぜい125歳が限界としている。

■体の保証期間は50歳前後

 むろん、こうした急激な寿命の延長は公衆衛生や栄養のドラスチックな変化により病気を寄せ付けなくなったこと、医療技術の向上により病気やケガをしても回復できるようになったからだ。しかし、そうした長寿を支えている要因を除いた、本来定められた人間の寿命はずっと短く、50歳程度ではないか、という声がある。その頃から、不治の病「がん」で死ぬ人の数が急増するからだ。

 がんは、細胞分裂時にDNAの複製エラーが生じることで発生する。人体にはそうしたエラーを防ぐさまざまな仕組みや、がん化した細胞を排除する免疫システムが備わっているが、それも、50歳前後になると劣化して、がんを防ぎきれなくなる。つまり、人間は50歳前後になると死ぬための「がん」という仕組みが発動して、寿命を制限してきたのだ。

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