だんだん悪化して…その息切れやむくみは心不全かもしれない
「着目すべきは、2型糖尿病ではない患者が半数以上研究対象に含まれている点です。今後は2型糖尿病がない患者にも、心不全の治療薬としてSGLT2阻害薬が使われるでしょう。ただし現段階では、日本では糖尿病の治療薬としてのみの承認です。糖尿病患者で心不全リスクが高い人は、状況を見て、SGLT2阻害薬に切り替えるという方法もあります」
1日6グラム以下の塩分制限、肥満解消も外せない。心不全はBNPまたはNT―proBNPという心筋ストレスマーカーでチェックできるので、特に一度でも心筋梗塞、狭心症などの心臓病を起こしたことがある人は、受けた方がいい。血液検査で簡単に分かる。
すでにステージC以降、つまり慢性心不全の域に入っていたら……。8月に従来薬とは作用機序の違う新薬「エンレスト(一般名サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)」が発売されたが、それ以外にもエビデンスのある治療薬がこの2年間でもいくつか登場している。早い段階で手を打てば生命予後を延ばせる可能性はある。
そのためには、今自分の心不全がどの段階かを知る。心不全の症状である息切れやむくみを年のせいと考えている人も少なくない。