だんだん悪化して…その息切れやむくみは心不全かもしれない
8月28日、タレントで俳優の岸部四郎さんが急性心不全で亡くなった。心不全は近年増加傾向にあるが、どんな病気か正しく理解している人は多くない。
「心不全とは、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなって生命を縮める病気です」と言うのは、九州大学大学院医学研究院循環器内科学の筒井裕之教授だ。
心不全は、高血圧、糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病がリスク要因になる(ステージA)。これらによって心筋梗塞や狭心症など心臓病を起こすと、心機能が傷害を受けたり、長期的に負荷を受け(ステージB)、急性心不全を発症する。入院し治療を受ければ回復するが、心機能は完全には良くならず慢性心不全に至る(ステージC)。慢性心不全に対する薬物治療が行われるが、急性増悪で入退院を繰り返し、薬も効きづらくなる。ペースメーカーや植え込み型除細動器といった非薬物治療でも対処できなくなる(ステージD)。
■予防が死亡回避につながる
つまり心不全は、ステージA→B→C→Dと「だんだん悪くなり」、最終的に「生命を縮める(命を落とす)」。