80代の10人に1人は心房細動 4割が死の危険に気付いていない

公開日: 更新日:

 なぜ心房細動が早い段階で適切な治療が必要なのか? それは、心房細動がさまざまな重篤な病気のリスクを上げるからだという。

■すべての認知症の危険因子

 まず、心不全だ。心不全は心臓の機能がうまく働かず、全身の血液の循環が滞る状態で、「入院→退院→再発→入院……」を繰り返す。そのうち治療法がなくなり、死に至る。

「心房細動の患者さんのうち、20~30%が心不全を合併します」

 心房細動が心不全を引き起こし、心不全が心房細動をより悪くする悪循環に陥る。

 次に、脳梗塞だ。

「心房の中で血液がよどみ、血栓ができやすくなり、それが血流に乗って脳に飛び、血管に詰まると脳梗塞が起こります。大きい血栓なので命に関わる大きな脳梗塞になりやすく、一命を取り留めても半身マヒや寝たきりなど重い後遺症が出る可能性が高いのです」

 脳梗塞の20~30%は心房細動によるもので、心房細動の人は、そうでない人より5倍、脳梗塞になりやすいといわれている。抗凝固薬でリスクを下げられるが、薬は毎日飲まなければならない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン