80代の10人に1人は心房細動 4割が死の危険に気付いていない
さらに、認知症だ。心房細動は認知症に1・4倍なりやすく、すべての認知症の危険因子と報告されている。
心不全、脳梗塞は前述の通り、命に関わる病気。それもあり、心不全は死亡リスクの高さも指摘されている。その率、1・5~3・5倍だ。
では、心房細動かどうかをチェックするにはどうすればいいのか? 自覚症状がない人が4割なので「不調がない」というのは当てにならない。自宅で簡単に心電図を測れる家庭用心電計があるので、これで測定した結果を病院に持っていき、チェックしてもらう手もある。これが面倒なら、第1段階として、脈拍を測定する。人さし指、中指、薬指の3本の指の腹を手首に当てると測定しやすい。15秒間ほど指の腹を当てて、間隔が不規則だと思ったら1~2分ほど続ける。脈が不規則、脈が弱い場合は、不整脈をよく診ている医療機関を受診すべき。
「心房細動は心不全、高血圧、狭心症、心筋梗塞、弁膜症、加齢、肥満、糖尿病、飲酒や喫煙の習慣、睡眠時無呼吸症候群、ストレス、甲状腺機能亢進症の人がなりやすい。リスク要因がある人は、年齢が若くても要注意です」
軽い息切れや動悸など症状があるのに、注意を払っていない人もいる。心房細動が疑われる症状が少しでもあれば、専門医に相談した方がいい。自分だけでなく、老親の体調も確認しよう。