著者のコラム一覧
松生恒夫医学博士

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

ポールとリンダは子供たちに「菜食主義」を強要しなかった

公開日: 更新日:

来日公演では「ミートフリー・マンデー」のパンフを配布

 81年、「ウイングス」は解散しますが、ジョン・レノンの死など衝撃的出来事による一時の中断を経て、ポールは音楽活動を続けます。89年の「ワールドツアー」では世界15カ国を回りますが、ポールはツアーを通して菜食主義と地球環境問題をアピールします。日本においても近年、地球環境問題は大きく取り上げられていますが、ポールとリンダの先見性には驚かされます。

 90年、来日時のインタビューでリンダはこう語っています。

「4人の子供の親である私は、政治に対して広い視野を持ち、環境保護団体を支援しています。コンサートでは、喜びや感動を与え、一方で深刻な環境問題のことも訴えていくことが大切です」

 また、94年、ベジタリアン生活について問われたポールは「ベジタリアンでいる方が、エネルギーが出る」と語っています。

 彼らは、子供たちへの向き合い方からもわかるように、ヒステリックに「菜食主義こそが絶対である」などと叫ぶことはありませんでした。逆に、その抑揚の利いたメッセージゆえに、世界の多くの人たちに支持されたのかもしれません。前述しましたが、彼らは「月曜日は肉を食べない(ミートフリー・マンデー)」の活動を始めました。ちなみに彼らの日本公演を私は観賞しましたが、会場では「ミートフリー・マンデー」に関するパンフレットが配られていました。ポールとリンダが訴えた考え方は、リンダの死後もメアリー、ステラの娘たちに受け継がれています。

 ファミリーのこうした活動は今も持続しており、世界の大きなムーブメントに一役買ったことは間違いありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も