著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

ステーキとワインで家族と忘年会…在宅だからできたこと

公開日: 更新日:

 将来の自分の死に場所はどこですか?

 こう問われたら、みなさんはなんと答えるでしょうか。恐らく病院と答える方が多いのでは。実際に現在、亡くなられる方の約8割が病院で看取られています。しかし、1950年代以前は、逆に自宅で看取られる方が8割でした。昔はみんな自宅で亡くなっていたのです。

 特に年配の方なら、自分が幼少の頃に自宅でおばあちゃんやおじいちゃんを看取った経験をお持ちの方が多いはずです。

 それが70年代を境に日本の看取りの現場が、自宅から病室へと変わっていきました。人の死が日常生活から抜け落ち、命の儚さや大切さを自宅で学べるせっかくの機会を失ってしまったのです。

 そしていつしか看取りは病院でという常識が定着していきました。日頃から自分や家族の終末期について考えることなく、在宅医療の知識もなければ、自宅で最期を迎えるのは難しいと感じるのも無理はありません。好むと好まざるとにかかわらず選択肢は病院だけとなるわけです。 

 しかし現在、超高齢化社会を迎え、社会保障費の高騰という問題が生じたことから、国はその対策として「地域包括ケアシステム」を推進し、在宅医療の普及に注力。看取りの場を再び自宅へ戻そうとしています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」