なぜいま新型コロナウイルスの空気感染対策が必要なのか? 初冬の豪州ではすれ違い感染が

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス感染症が流行して1年半。この間、手探りだった新型コロナウイルス感染症の常識と対策が新たな知見が積み重なることで、変わりつつある。そのひとつが感染経路。濃厚接触者による接触感染が一般的とされてきたが、いまはエアロゾルを介した空気感染を重視し、その対策に注力すべきとの声が上がっている。弘邦医院の林雅之院長に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

「これから寒くなるにしたがって空気が乾燥します。すると感染者から吐き出された飛沫は、生きたウイルスの周りの水分を蒸発させて飛沫核となり、空気中を長く漂うようになります。しかもそのウイルスはデルタ株のように従来株に比べて感染力が強い変異株です。少ない量でもそれを吸い込めば肺の奥まで届き、感染し重症化するリスクが高くなる。ですから今後はエアロゾルを介した空気感染に注意する必要があります」

 エアロゾルとは空気に漂う粒子のことを言い、直径5マイクロメートル(0.005ミリメートル)より大きいのを飛沫、小さいのを飛沫核という。

 飛沫はすぐに落ちるため、1~2メートルしか飛ばない。一方、飛沫核は空気中に浮遊して遠くまで飛ぶ。世界保健機関(WHO)や感染症学の定義では飛沫感染は「粒径5マイクロメートルより大きい液滴状による感染」であり、空気感染は「飛沫から水分が蒸発して生成する粒径5マイクロメートルより小さい粒子による感染」である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動