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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

糖尿病患者がコロナにかかったら…薬の飲み方で気をつけること

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 追い打ちをかけるのが、インスリンの分泌や効き目が悪くなること。さらに高血糖になると体の抵抗力が落ちるため、「より病気が悪化する→一層血糖値が上がる」という悪循環を招きかねません。発熱や下痢は脱水症状を起こすので、これも血糖値を上げてしまいます。

 一方で、病気で食欲不振となって食事を十分に取れず、しかしいつも通りに薬を飲んだり注射したりするために低血糖を起こすリスクが高くなることもあります。これも「シックデー」です。

 そして、もうひとつの「糖尿病性ケトアシドーシス」とは、血糖値を下げるインスリンが不足し、血糖値が非常に高くなってしまうこと。そうなると、体の細胞内の水分は血液中に移動し尿として排出され、水分不足から脱水症状になります。

 また、インスリンが不足しているため細胞は糖分を取り込めず、エネルギー不足になって、脂肪を分解してエネルギーを得ようとします。そのとき、酸性の物質である「ケトン体」が作られ、体が酸性に傾き、呼吸や心臓がうまく働かなくなります。


 脱水症状とケトン体の発生で、対応が遅れれば死に至ることもある……。それが、糖尿病性ケトアシドーシスなのです。

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