著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「ペスト」はO型とそれに近いA型は感染しやすく、死亡リスクが高い

公開日: 更新日:

 重要な感染症に「ペスト」と「結核」があります。

 ペストはペスト菌による感染症で、ネズミからノミを介して人に感染します。ご存じの「黒死病」です。14~17世紀にかけて、ヨーロッパで何度も大流行を起こし、とくに1347年から51年の流行では、当時のヨーロッパの人口の半分が失われたといわれています。

 ペスト菌が体内のどこで増殖するかで、腺ペスト(リンパ節で増殖)と肺ペストに分けられています。どちらも致死率がきわめて高く、とくに肺ペストの致死率はほぼ100%でした。

 日本では、最も危険な1類感染症に指定されています。ただし患者はここ数十年、ひとりも出ていません。中国内モンゴル自治区などでは、いまでもときどき患者が発生することがありますが、抗生物質がよく効くため、さほど恐れる病気ではなくなっています。

 ペスト菌の生化学的な研究などから、O型の人や、O型に近いA型(A2型、A3型など)は感染しやすく、死亡リスクも高いといわれています。逆にA1型(普通のA型)やB型は、抵抗力が強いと考えられています。ただし疫学的な研究はほとんどされていないので、あくまでも仮説のレベルです。とはいえ、これによってヨーロッパの血液型の分布(O型とA型が拮抗している)をうまく説明できるため、それなりの支持を集めています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明