歯(上)虫歯の新たなメカニズムに対応した予防法 歯科医が指南
この現象を実証する有名な実験がある。ネズミの腹部に、ある物質を注射し、それがどう体内を巡るかを観察した。
すると注射後、物質はわずか6分で歯のエナメル質と象牙質の境の部分に到達。それからおよそ1時間以内に、歯の表面にしみ出てきたという。
この実験には続きがあり、DFTが「逆流」することも分かっている。つまり、口内に存在する数億もの細菌が、歯を溶かすことなく侵入し、歯の内部で虫歯をつくるのだ。スタインマン博士は、この逆流は①砂糖②ストレス③運動不足④ビタミン・ミネラル不足⑤薬剤の5つの原因で起こると述べている。
このように毎日きちんと歯磨きをして、表面をきれいにしていたとしても、DFTの逆流を起こす5つの原因を絶つように注意しなければ、虫歯になってしまうのだ。
■急激な血糖値の上昇を抑制することが重要
砂糖が歯の表面にくっついて、それをエサにする細菌が繁殖することで虫歯になることは理解(従来の考え)できる。では、「砂糖」と「DFTの逆流」にはどんな関係があるのか。