コロナ後遺症の嗅覚・味覚障害はどう治療するのか? 医大教授が4つの治療法を解説
「嗅覚障害ありと回答した人のほとんどが嗅覚検査でも低値でしたが、味覚障害ありと回答した人はほとんどが味覚検査では正常値でした。このことから、嗅覚障害により風味が変わるため、味覚障害を自覚していると考えられます」
コロナによる嗅覚・味覚障害を訴える患者が来院した場合、三輪教授が行う検査は、内視鏡、CT、嗅覚検査、味覚検査。
「発症1カ月以内なら、鼻の奥の炎症が原因で嗅覚障害が起こっている可能性が高い。炎症の場所によっては内視鏡だけではわかりづらいため、その場合はCTスキャンもします。ただし発症して2週間以内は、感染拡大のリスクがあり、内視鏡などはできません」
■欧州では嗅覚刺激療法がガイドラインに掲載
現段階ではコロナの嗅覚・味覚障害に対してエビデンスのある治療法が確立されていない。
そこで炎症が確認できたら、「嗅覚障害診療ガイドライン2017」の鼻の炎症がある場合の治療法に準じて、ステロイドの局所投与が検討される。